Amazon Web Services ブログ

AWS Wavelength で臨場感あふれるゴルフ体験を実現

2021年には、全国の16,000以上のコースで2,500万人以上がゴルフラウンドをプレーしました。これらの各ラウンドにおいて、ゴルフカートはプレイヤー体験において引き続き大きな役割を果たしています。ヤーデージやコースGPS、レザーバックシート、そして最も重要なゴルフクラブを運ぶための十分な収納スペースまで、ゴルフカートはプレイヤー体験の重要な要素です。一方で、ゴルフカート市場は、プレイヤー体験をはるかに超えて、15億ドル規模の業界を誇り、急成長を続けています。

お客様について : 全国のゴルファーにデジタル体験を提供

市場最大手のクラブカーにとって、パーソナライゼーションと臨場感あふれるメディア体験は、次の未開拓のイノベーション領域です。

快適なゴルフカートから、最新のサッカーの試合を聴いたり、ニュースやスポーツのハイライトを見たり、アプローチに使用するクラブを情報に基づいて決定したり、ホール間の昼食を注文したりできるとしたらどうでしょうか。

1958年に設立された Club Car は、個人用、ビジネス用、商業用のさまざまな用途に対応するゴルフカートとユーティリティビークル (スポーツ用多目的車両) の大手メーカーです。Club Car は、パーソナライズされたメディアやエンターテイメント機器を各車両に組み込むため、デンバーに本拠を置くデジタル屋外広告(DOOH)を専門とするインタラクティブ・ソフトウェア企業、Edison Interactive の支援を受けました。

現在、Edison Interactive のソフトウェアは、Verizon が提供する Shark Experience を通じて、450のコースロケーションにある41,000台のゴルフカートで利用されています。各車両には、タッチスクリーンディスプレイ、内蔵スピーカー、Bluetooth接続、Yahoo Finance、スポーツ中継などのプレミアムエンターテイメント機能が搭載されています。

課題:統一された没入型体験を大規模に実現

ヤーデージ、ニュース、広告のデータをすべて配信するために、関連するゴルフコースデータをすべて 1 つのクラウドリージョンに集約しました。これにより、Edison チームは管理と運用を簡単化できましたが、地理的に分散されたコンピューティングとデータノードがないため、場所によっては非常に遅延が大きく、ユーザーエクスペリエンスが低下していました。そこで、Edison Interactive は、タッチスクリーンの応答時間を短縮して全体的にシームレスなゴルフ体験を実現できる、最も信頼性の高い接続ソリューションとクラウドソリューションを探し始めました。

さらに、Edison は、今後数か月でさらに数千台のゴルフカートへの搭載を見込んでいたため、コストを指数関数的に増加させずにキャパシティの増大に対応するための決定論的アプローチが必要でした。

また、Edison Interactive のゴルフカートの画面数が急速に拡大するにつれて、エンドユーザーにより効率的にコンテンツを提供するための費用対効果の高い方法も必要になりました。

3.5万 83億 1,643テラバイト 25.3万
Edison Interactive フリート内のゴルフカートの合計 月間リクエスト数合計 LTE 経由のスループット月間リクエストの合計 ゴルフカート 1 台あたりの月間累積リクエスト数
このワークフローを大規模に対応させるため、Edison Interactive は HarperDB クラウドを選択しました。 AWS Wavelength 上に構築される HarperDB の Database-as-a-Service (DaaS) プラットフォームにより、Edison Interactive は 19 の Wavelength Zone すべてを活用して大規模にエンドユーザーに対してデータノードを近接配置し、パフォーマンスを10倍以上向上させました。

「モバイルエッジコンピューティングにより、AI 主導の分析をユーザーに提供して、ユーザーのゴルフの試合を支援できるようになりました。データのリアルタイム転送により、最終的にはグリーングラスゴルフコースのデジタルキャディー向けの機能セットを提供できるようになります。」— Edison Interactive の CRO 兼共同創設者、ニック・スタニッツ・ハーパー

アーキテクチャの概要

可用性が高く、レイテンシーの低いソリューションを提供するために、Edison はマルチリージョンアプローチを採用し、カスタム API キャッシュレイヤーを活用して全19の Wavelength Zone をローンチしました。各 Wavelength Zone では、HarperDB のカスタム関数開発プラットフォームを使用して、レイテンシーを 5 秒以上から 20 ミリ秒以下に短縮する API キャッシュレイヤーを作成しました。各ゴルフカートのレイテンシーを最小限に抑えるため、エッジディスカバリーサービスを活用して、各 Wavelength Zone で最も近い AWS キャリア IP アドレスを特定します。

カスタム関数は HarperDB データレイヤーに直接アクセスできるユーザー定義の API エンドポイントです。これにより、スタンドアロン API からデータベースへの余分なホップが不要になります。その結果、レイテンシーを低減し、複雑さを軽減し、費用対効果の高い水平スケールにも柔軟に対応したアプリケーションとデータの完全なパッケージが完成します。従来モデルでは、モノリシックなデータストアの垂直スケーリングには指数関数的にコスト増加となる点が課題でしたが、この新しい仕組みによって Edison はプラットフォームに対してコースやカートを効率的に追加できるようになりました。

プロビジョニングと監視

19 の Wavelength Zone すべてに HarperDB ノードを効率的にプロビジョニングするために、AWS Lambda と AWS CloudFormation を利用して Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス、Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリューム、および Amazon Route53 DNS レコードを作成します。CloudFormation は、各 Wavelength Zone の作成の一貫性を担保しながらデプロイを加速させるために不可欠でした。さらにWavelength Zone の数は今後も増加することが見込まれるため、CloudFormation によって一貫性のあるスケーリングテンプレートを提供します。

ノードが構築されると、Amazon CloudWatch は各ノードのオブザーバビリティとモニタリングを行い、システムの整合性を確認します。リソース使用率が高いなどの特定のシナリオでは、Amazon CloudWatch は HarperDB と Edison Interactive のカスタマーサポートチームにカスタム通知を送信する AWS Lambda 関数をトリガーします。AWS Lambda を使用してカスタムアラートを柔軟に作成できることは、HarperDB チームが Edison Interactive と共同でデプロイを管理するうえで非常に重要でした。

結論

クラブカーの全国各地の車両に低遅延の外出体験を提供するには、AWS Wavelength と HarperDB が必要です。AWS Wavelength を利用するゴルフカートは、低遅延のマルチリージョン接続の最先端にあります。AWS Wavelength はネットワーク遅延を低減しつつ、HarperDB はデータとアプリケーションの両方の配信を管理します。AWS Wavelength と HarperDB の併用は、家庭外(OOH)でのデジタル体験の可能性を再定義した洗練されたソリューションです。

高品質で臨場感あふれるスポーツ体験について詳しくは、こちらをご覧ください。

Robert Belson

Robert Belson

Robert は、AWS エッジコンピューティングを専門とする AWS ワールドワイドテレコムビジネスユニットのデベロッパーアドボケイトです。開発者コミュニティや大企業のお客様と協力して、自動化、ハイブリッドネットワーキング、エッジクラウドを使用してビジネス上の課題を解決することに重点を置いています。

Stephen Goldberg

Stephen Goldberg

HarperDB の CEO 兼共同創設者である Stephen Goldberg は、スタートアップ企業の CTO 兼 CEO として働き、Red Hat などの大規模組織で複数の役職を歴任し、さまざまな業種の多くのフォーチュン500企業でデジタル変革プロジェクトを主導してきました。データ管理とエッジコンピューティングの分野で定評のあるオピニオンリーダーであり、Tech Target などのサイトに掲載されたり、Forbes や ZDNet などの多くの記事や出版物で引用されたりしています。IoT World、SAP Sapphire、Salesforce.com の Dreamforce などで講演を行ってきました。Stephen は共同創設者の Kyle と Zach と共に 2 件の特許を保有しています。

原文はこちらです。
翻訳はソリューションアーキテクトの鈴木 浩之が担当しました。